肥満と胆道がん

今日のポイント：肥満は胆道がんのリスク因子


肥満と胆道がんの関連を調査しました。愛知県がんセンターからの報告です。（International Journal of Cancer誌オンライン版、2023年11月15日号）

アジアコホートコンソーシアムに参加している21のコホート研究の計90万5,530人をプール解析しました。BMI値で、低体重（18.5未満）、標準（18.5～22.9）、過体重（23～24.9）、肥満（25以上）の4群に分類しました。BMIと胆道がん発症率および死亡率との関連は、脆弱性を共有したCox回帰モデルによるハザード比（HR）および95％信頼区間（CI）を用いて評価しました。
 
・標準BMIと比較して高BMIは胆道がん死亡率と関連し、HRは男性で1.19（95％CI：1.02～1.38）、女性で1.30（同：1.14～1.49）でした。
・胆道がんリスクにおいて胆石症はBMIと有意な相互作用を示しました。
・BMIと胆道がんリスクの関連は、女性では直接および胆石症を介して関連していましたが、男性では関連は明らかではありませんでした。
・胆石症がある場合、男女共にBMIは胆道がん死亡とは関連しませんでしたが、胆石症のない女性で関連していました。
 
以上より、BMIと胆道がん死亡率の関連が確認されました。


参考：Obesity is associated with biliary tract cancer mortality and incidence: A pooled analysis of 21 cohort studies in the Asia Cohort Consortiumc - Oze - International Journal of Cancer - Wiley Online Library