降圧剤で腎臓がんリスク上昇?
7/31/2025 10:00:05
今日のポイント:Ca拮抗薬において腎臓がんリスクが最も高い
降圧薬と腎臓がんのリスクの関連を調査しました。米国・スタンフォード大学医療センターからの報告です。(BMC Cancer誌、2025年6月6日号)

本研究では、2025年1月までの降圧薬使用と腎臓がんとの関連を調査した観察研究を検索しました。高血圧とは独立した降圧薬の影響を明らかにするため、高血圧を考慮した群と考慮しない群で層別解析を実施しました。ロバスト分散推定を用いたランダム効果モデルを用いてメタ解析を実施し、統合相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出しました。
・39研究が適格研究とされました。
・高血圧を考慮した推定値に基づいた場合、降圧薬は腎臓がんリスク上昇と関連していました。
・高血圧を考慮した場合の降圧薬のクラス別のRR(95%CI)は、ARBが1.15(1.00~1.31)、β遮断薬が1.09(1.03~1.16)、Ca拮抗薬が1.40(1.12~1.75)、利尿薬が1.36(1.20~1.55)と、腎臓がんリスク上昇と関連し、Ca拮抗薬が最もリスクが高くなりました。
・ACE阻害薬は1.19(0.93~1.52)と有意な関連は認められませんでした。
以上より、降圧薬と腎臓がんリスクが高血圧とは関係なく関連を示し、そのリスクはCa拮抗薬において最も高いことが示唆されました。
参考文献:
Association between antihypertensive medication use and kidney cancer risk: a meta-analysis accounting for hypertension | BMC Cancer | Full Text
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