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大気汚染と高血圧

1/28/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:自動車の排気ガスで血圧上昇


自動車の排気ガスと乗車中の人の血圧の関係を調査しました。米ワシントン大学からの報告です。(Annals of Internal Medicine、2023年11月28日)

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本研究では、22〜45歳の正常血圧の成人16人(平均年齢29.7歳)を対象にランダム化クロスオーバー試験を行い、路上での交通関連大気汚染(traffic-related air pollution;TRAP)曝露が血圧と網膜血管系に及ぼす影響を調べました。試験参加者は、シアトル市のラッシュアワーの時間帯に、外気が車内に取り込まれる車で2日間運転を行う群と、外気の微粒子などを取り除く高性能フィルターが装備された車で1日だけ運転を行う群にランダムに割り付けられました。その後、最初に運転した車とは反対の条件の車で運転を行いました。血圧は、車の運転前と運転中、および運転後最長で24時間後に、3分間隔で14回測定されました。また、運転の前後に画像検査で推定網膜中心動脈径(CRAE)も測定しました。
 
・参加者の運転前の平均血圧は、収縮期血圧が122.7mmHg、拡張期血圧が70.8mmHgで、平均運転時間は122.3分でした。
・また、フィルターの装備により外気中の微粒子は86%減少し、解析はデータが全てそろった13人を対象に行われました。
・運転前の血圧、割り当てられる車の順序、持ち越し効果を調整した後でも、外気がフィルターで濾過される車を運転した場合と比べて、外気が車中に入り込む車を1時間運転した場合には、拡張期血圧が平均で4.7mmHg(95%信頼区間0.9〜8.4mmHg)、収縮期血圧が4.5mmHg(同−1.2〜10.2mmHg)上昇することが明らかになりました。
・24時間後の平均血圧も、外気が車中に入り込む車を運転した場合には、拡張期血圧が3.8mmHg(同0.02〜7.5mmHg)、収縮期血圧が1.1mmHg(−4.6〜6.8mmHg)上昇していました。
・CRAEは、外気が車中に入り込む車を運転した場合には平均で2.7μm(同−1.5〜6.8μm)拡張していました。
 
 Kaufman氏は、「体には、脳への血流を一定に保とうとするシステムが備わっている。TRAPは、非常に複雑で厳密に制御されたこのメカニズムのどこかに影響を及ぼしているようだ」と話す。
 
以上より、排気ガスがもたらす血圧上昇は高塩分食摂取がもたらす影響に匹敵し、その影響は24時間続くことも示されました。

参考:Blood Pressure Effect of Traffic-Related Air Pollution: A Crossover Trial of In-Vehicle Filtration: Annals of Internal Medicine: Vol 176, No 12 (acpjournals.org)

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