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乳がんとホルモンの関係

4/12/2022 9:30:02

がん

今日のポイント:乳がん全体の60~70%はホルモン療法が有効


 乳がんは女性ホルモン(主にエストロゲン)をがん細胞の増殖に利用するタイプのものと、そうでないタイプのものがあります。このうちホルモン療法が有効であるのは、ホルモンによって増殖するタイプ(ホルモン陽性)の乳がんで、乳がん全体の60~70%を占めると言われています。今日はこのホルモン陽性乳がんでよく使われるホルモン療法について基本的なことを説明していきます。

 そもそもホルモン療法とは何でしょうか。ホルモン療法は別名で内分泌療法とも呼ばれています。このホルモン療法とは「エストロゲンががんの細胞の栄養になるのを防ぐ」治療のことで、もう少し詳しく説明すると、ホルモン陽性の乳がん細胞の表面にはエストロゲン受容体というものにエストロゲンが結合するとがん細胞が増殖を開始します。これを防ぐのがホルモン療法の目的です。

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 このホルモン依存性かどうかを診断するには針や手術によって乳がん細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査が必要です。この際にHER2(ハーツー)と呼ばれるタンパク質の存在についても一緒に調べることが一般的です。ホルモン受容体やHER2は予後や使用できる薬剤に大きな影響があり非常に重要です。尚、HER2についてはまた別の機会に説明します。

 さて、次回はホルモン陽性と分かった場合の具体的な治療薬について説明します。


参考: 

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