帯状疱疹ワクチンは心疾患リスクも減らす
7/20/2025 10:00:00
今日のポイント:帯状疱疹ワクチンが、高齢者の心臓の健康を守る可能性
帯状疱疹ワクチンによる高齢者の疾患予防の可能性を調査しました。慶熙大学校(韓国)からの報告です。(European Heart Journal、2025年5月5日)

本研究は、2012~2021年の韓国内の50歳以上の成人220万7,784人の医療データを用いて行われました。傾向スコアマッチングにより、127万1,922人(平均年齢61.3±3.4歳、男性43.2%)を解析対象としました。このうち半数が、帯状疱疹ウイルスを弱毒化させた生ワクチンの接種者、残り半数が非接種者でした。
・中央値6.0年間追跡した解析により、ワクチン接種群は心血管イベントリスクが低いことが示されました。
・例えば、全心血管イベントは23%低リスク(ハザード比〔HR〕0.77〔95%信頼区間0.76~0.78〕)、主要心血管イベント(脳卒中、心筋梗塞、心血管死)は26%低リスク(HR0.74〔同0.71~0.77〕)、心不全も26%低リスク(HR0.74〔0.70~0.77〕)でした。
・ほかにも、脳血管障害(HR0.76〔0.74~0.78〕)、虚血性心疾患(HR0.78(0.76~0.80〕)、血栓性疾患(HR0.78〔0.74~0.83〕)、および不整脈(HR0.79〔0.77~0.81〕)のリスク低下が認められました。
以上より、帯状疱疹ワクチン接種者は心臓病のリスクが23%低く、心疾患リスクを下げる可能性が示唆されました。
参考文献:
Live zoster vaccination and cardiovascular outcomes: a nationwide, South Korean study | European Heart Journal | Oxford Academic
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