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歩く速さと糖尿病リスク

2/4/2024 10:00:04

その他

今日のポイント:歩く速さが速いほど糖尿病リスクは低い


歩行速度と糖尿病リスクの研究結果が報告されました。セムナン医科大学(イラン)からの報告です。(British Journal of Sports Medicine、2023年11月28日)

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本研究では、PubMed、Scopus、CENTRAL、Web of Scienceなどの文献データベースに2023年5月30日までに収載された論文から、成人の歩行速度と2型糖尿病のリスクとの関連を調査した研究を検索しました。米国、英国、日本で行われた計10件のコホート研究が特定されました。それらの研究参加者は合計50万8,121人で、観察期間は3~11年でした。
 
・プール解析の結果、歩行速度が時速3.2km未満の場合と比較して、時速3.2~4.8kmの場合〔該当する研究数4件、信頼性(GRADE)低〕は、2型糖尿病のリスクが15%低くなりました〔相対リスク(RR)0.85(95%信頼区間0.70~1.00)〕。
・時速4.8~6.4km〔研究数10、GRADE低〕ではリスクが24%低く〔RR0.76(同0.65~0.87)〕、さらに時速6.4km/時超の場合〔研究数6、GRADE中〕は39%低いことが分かりました〔RR0.61(同0.49~0.73)〕。
・これらのデータを基に2型糖尿病患者数への影響を推算すると、時速3.2~4.8kmの歩行速度では100人当たり0.86人、時速4.8~6.4kmでは1.38人、時速6.4km/時超では2.24人、患者数の減少につながると予測されました。
・また、用量反応解析からは、2型糖尿病リスクの有意な低下が認められる歩行速度は、時速4km以上の場合であり、それ以上のスピードでは、時速1km速くなるごとにリスクが9%ずつ低下する可能性が示されました。
・なお、時速4kmという速度で歩くための歩数は、男性では1分当たり87歩程度、女性では100歩程度とわかりました。
 
以上より、歩行速度が速い人ほど糖尿病リスクが低いことが示唆されました。

参考:Walking speed and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis | British Journal of Sports Medicine (bmj.com)

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