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睡眠と認知症

3/24/2024 10:00:05

メンタルヘルス

今日のポイント:若年高齢者の短時間睡眠、アルコールを摂取する高齢者で認知症リスク上昇


睡眠障害と認知症との関係を調査しました。スウェーデン・カロリンスカ研究所からの報告です。(Psychiatry Research誌、2024年3月号)

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高齢者(65歳以上)における睡眠対策と認知症との関係を調査するため、English Longitudinal Study of Ageing(ELSA)のデータを用いました。さらに、Cox回帰モデルおよびメンデルランダム化(MR)分析を用いて、因果関係を調査しました。
 
・対象高齢者7,223人のうち、5.7%が平均8±2.9年以内に認知症を発症しました(アルツハイマー病は1.7%)。
・8時間超の長時間睡眠は、理想的な睡眠時間(7~8時間)の場合と比較し、認知症発症リスクが64%増加し、アルツハイマー病のリスクが2倍高くなりました。
・この関連は、とくに70歳以上およびアルコールを摂取する高齢者において、顕著でした。
・7時間未満の短時間睡眠は、高齢になるほど認知症リスクが低く、比較的若年の高齢者では認知症発症リスクが高くなりました。
・睡眠障害および自覚している睡眠の質は、認知症またはアルツハイマー病と関連していませんでした。
・MR分析では、睡眠時間と認知症との因果関係が確認されませんでした。
 
以上より、若年高齢者の短時間睡眠者、高齢者および頻繁にアルコールを摂取する長時間睡眠者において、認知症リスクとの関連が示唆されました。
 

参考:Impact of sleep duration and sleep disturbances on the incidence of dementia and Alzheimer's disease: A 10-year follow-up study - ScienceDirect

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