コロナ入院と死亡リスク
9/19/2023 10:00:04
新型コロナ
今日のポイント:コロナ感染症での入院例は死亡リスク増加
コロナ罹患後症状(コロナ後遺症、long COVID)に関する2年間の追跡データが発表されました。米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムからの報告です。(Nature Medicine誌オンライン版、2023年8月21日号)

米国退役軍人データベースから13万8,818例の感染群と598万5,227例の非感染の対照群からなるコホートを2年間追跡し、死亡と事前に規定した80の急性期後遺症のリスクを推定しました。感染群は、急性期における入院の有無でさらに分析しました。
- 感染群は平均年齢60.91歳(SD:15.96)、13万8,818例のうち非入院が11万8,238例、入院が2万580例でした。対照群は平均年齢62.82歳(SD:16.84)でした。
- 感染群の死亡リスクは、非入院例では感染後6ヵ月を超えると有意な増加はありませんでしたが、入院例では2年間を通じて有意に増加したままでした。
- 80の後遺症のうち、非入院例は2年後に69%が対照群との有意差がなくなったのに対し、入院例は35%にとどまりました。
- 2年間の累積で、急性期後遺症による障害調整生存年(DALY:疾患により失われる健康寿命)は、非入院例は1,000人当たり80.4(95%信頼区間[CI]:71.6~89.6)、入院例は642.8(95%CI:596.9~689.3)でした。損失の多くは感染後1年目に発生したが、2年目の発生も一定数ありました(非入院例25.3%、入院例21.3%)。
以上より、コロナ感染群の入院例では死亡リスクが高くなるようです。
参考:Postacute sequelae of COVID-19 at 2 years | Nature Medicine
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