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暑さと脳卒中の関係

7/13/2023 10:00:04

その他

今日のポイント:暑くても寒くても脳卒中のリスク上昇
 

暑さ(気温)と脳卒中のリスクを調べた研究を紹介します。中国・Tongji Medical Collegeからの報告です。(Brain and Behavior誌オンライン版、2023年6月2日号)

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PubMed、Embase、Web of Scienceを用いて、データベース開設から2022年4月13日までに発表された研究を検索し、高温環境と低温環境のプール推定値は、ランダム効果モデルを用いて算出しました。

  • 20件の研究が解析に含まれました。12件はアジアで実施され、6件はヨーロッパと北米、南米とオーストラリアは1件ずつでした。
  • すべての研究における気温は-33.1℃(カナダ)~40.9℃(中国)で、高温環境は90パーセンタイル以上、低温環境は10パーセンタイル以下とされました。
  • 高温環境では、脳卒中罹患率の相対リスク(RR)は1.10(95%信頼区間[CI]:1.02~1.18、I2=74.2%)、脳卒中死亡率のRRは1.09(1.02~1.17、85.6%)で有意な関連を示しました。
  • 低温環境では、脳卒中罹患率のRRは1.33(95%CI:1.17~1.51、I2=72.4%)、脳卒中死亡率のRRは1.18(1.06~1.31、85.5%)で有意な関連を示しました。
  • サブグループ解析では、社会経済的地位で層別化すると、高温環境における脳卒中の罹患率および死亡率は、発展途上国よりも先進国で高くなりました。
  • 低温環境では、先進国よりも発展途上国のほうが罹患率および死亡率が高くなりました。

 
以上より、暑さと寒さの両方が脳卒中の罹患率および死亡率を増大させ、発展途上国よりも先進国のほうが暑さによるリスクが高いことがわかりました。 

 
参考:Association between ambient temperature and risk of stroke morbidity and mortality: A systematic review and meta‐analysis - Wen - Brain and Behavior - Wiley Online Library

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