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医療者の燃え尽き症候群

2/6/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:医師の利殖は看護師の人数不足が最大の原因か


医療者の燃え尽き症候群について調査しました。米国ペンシルベニア大学からの報告です。(JAMA Health Forum誌、2023年7月7日)

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2021年に米国看護師資格認定センターの指定を受けた60施設の医師と正看護師、計2万1,050人から電子調査でデータを得ました。回答者はメンタルヘルスと幸福感、職場環境因子と燃え尽き症候群(バーンアウト)、病院スタッフの離職率、患者の安全性についての質問に回答しました。バーンアウトはMaslach Burnout Inventory(MBI)、不安は全般性不安障害スケール、うつ病はPatient Health Questionnaireスケールを用いて測定しました。データは2022年2月21日~2023年3月28日に解析されました。
 
・53病院の医師5,312人(平均[SD]年齢44.7[12.0]歳、男性2,362人[45%]、白人2,768人[52%])と、60病院の看護師1万5,738人(平均[SD]年齢38.4[11.7]歳、女性1万887人[69%]、白人8,404人[53%])が回答しました。
・1病院当たりの医師数平均は100人、看護師数平均は262人、回答率は26%(医師22%、看護師27%)でした。
・医師の約3人に1人、看護師の約半数が高いバーンアウト状態でしたが、その割合は病院によって大きく異なり、医師では9~51%、看護師では28~66%でした。
・医師の5人に1人以上(23%)が、「可能であれば1年以内に現在の病院を辞めたい」と回答しました。
・病院間の差を考慮すると、いくつかの病院では3~4割の医師が可能であれば現在の病院を辞めたいと考えていることが示唆されました。
・「患者の安全性に関して、自院は好ましくない状況だ」と評価したのは医師12%、看護師26%でした。
・「看護師の数が少な過ぎる」は医師28%、看護師54%、「劣悪な職場環境である」は医師20%、看護師34%、「経営陣に対する信頼がない」は医師42%、看護師46%でした。
・「職場が楽しい」と回答者した医師は10%未満でした。
・医師も看護師も、医師のメンタルヘルスを改善する介入よりも、病院の労働環境改善のほうがより重要である、と回答しました。
・介入策の中で、看護師の人員配置の改善が最も高く評価されました(医師45%、看護師87%)。
 
以上より、看護師の数が少な過ぎる、職場環境が好ましくないと医療者が考える施設は、医師の燃え尽き症候群と離職が多くなりました。

参考:Physician and Nurse Well-Being and Preferred Interventions to Address Burnout in Hospital Practice - PMC (nih.gov)

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