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問題飲酒と仕事の特性

8/27/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:男性では職位が低い人やシフト勤務の人、女性では仕事のパフォーマンスの自己評価が低い人ほど、問題飲酒につながりやすい傾向


問題飲酒(依存・乱用などの有害な飲酒やアルコールに関連した問題)と仕事の特性について調査しました。富山大学からの報告です。(Industrial Health、2024年5月15日)

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日本公務員研究の参加者のうち、2014年(ベースライン)の調査時に問題飲酒のあった人を除き、2019年まで5年間追跡できた1,535人を対象とする縦断的研究を行いました。飲酒はCAGEというスクリーニングテストで評価し、「飲酒量を減らさなければいけないと感じたことはあるか」などの4項目のうち2項目以上に該当する場合を問題飲酒としました。また、仕事の特性、ワークライフバランス、社会活動などについても調査しました。

・対象者のうち男性は968人(平均年齢43.2±8.3歳)、女性は567人(同38.2±10.0歳)であり、追跡期間中の問題飲酒の累積発生率は、男性が9.6%、女性が5.8%でした。
・問題飲酒と関連する要因について、ロジスティック回帰分析を用い、影響を及ぼし得る因子を統計学的に調整して解析しました。
・その結果、週3回以上の飲酒習慣が、男性(週2回以下と比べてオッズ比2.66、95%信頼区間1.68~4.23)、女性(同3.81、1.54~9.40)ともに問題飲酒と関連していました。
・また、1回当たり2合以上の飲酒も、男性(1合以下と比べて同1.73、1.10~2.72)、女性(同3.36、1.50~7.51)ともに問題飲酒との関連が認められました。
・仕事の特性に関しては、男性では、職位の高さ(中間管理職・管理職)と問題飲酒の間に負の関連が見られました(一般職と比べて同0.56、0.33~0.95)
・一方で、シフト勤務は問題飲酒との正の関連が示されました(定時勤務と比べて同2.96、1.46~6.00)。
・女性では、主観的な仕事のパフォーマンスの悪さが問題飲酒と関連していることが明らかとなりました(パフォーマンス良好と比べて同5.30、1.57~17.86)。

以上より、男性では職位が低い人やシフト勤務の人、女性では仕事のパフォーマンスの自己評価が低い人ほど、問題飲酒につながりやすく、また、男女とも、週に3回以上や1回に2合以上の飲酒が、問題飲酒と関連することが示唆されました。


参考文献:A longitudinal study of the influence of work characteristics, work–family status, and social activities on problem drinking: the Japanese civil servants study (jst.go.jp)

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