疲労や眠気とうつ病
2/18/2024 10:00:04
今日のポイント:疲労、日中の過度な眠気、いずれもうつ病と関連
疲労や日中の過度な眠気とうつ病の関係を調査しました。韓国・蔚山大学校からの報告です。(Sleep & Breathing誌オンライン版、2023年12月14日)
韓国の15の地区で本調査を実施しました。日中の過度な眠気、疲労、うつ病の評価には、それぞれエプワース眠気尺度(ESS)、疲労症状の評価尺度(FSS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いました。うつ病はPHQ-9スコア10以上と定義し、疲労ありはFSSスコア36以上、日中の過度な眠気ありはESSスコア11以上としました。日中の過度な眠気と疲労との組み合わせにより、4群に分類しました。
・調査参加者は2,493人(女性の人数:1,257人)、平均年齢は47.9±0.3歳でした。
・うつ病、疲労、日中の過度な眠気の割合は、それぞれ8.4%(210人)、30.8%(767人)、15.3%(382人)でした。
・各群におけるうつ病の有病率は、対照群と比較し、以下の通りでした。
【疲労あり、日中の過度な眠気あり】67人、31.9% vs. 7.3%(p<0.001)
【疲労あり、日中の過度な眠気なし】71人、33.8% vs. 20.3%(p<0.001)
【疲労なし、日中の過度な眠気あり】16人、7.6% vs. 5.8%(p=0.294)
【疲労なし、日中の過度な眠気なし】56人、26.7% vs. 66.6%(p<0.001)
・共変量で調整した後、疲労なし、日中の過度な眠気なし群を参照としたうつ病のオッズ比は、それぞれ以下の通りでした。
【疲労あり、日中の過度な眠気あり】8.804(95%信頼区間[CI]:5.818~13.132)
【疲労あり、日中の過度な眠気なし】3.942(95%CI:2.704~5.747)
【疲労なし、日中の過度な眠気あり】2.812(95%CI:1.542~5.131)
・2群におけるロジスティック回帰分析では、疲労なし、日中の過度な眠気あり群(参照)と疲労あり、日中の過度な眠気なし群との間におけるうつ病との関連に有意な差は認められませんでした(OR:1.399、95%CI:0.760~2.575)。
以上より、疲労と日中の過度の眠気はそれぞれが独立してうつ病と関連していることが示唆されました。
参考:Fatigue or excessive daytime sleepiness: which is more closely related to depression? | Sleep and Breathing (springer.com)
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