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不規則な睡眠で死亡リスク〇倍?!

1/8/2023 10:00:03

その他

今日のポイント:不規則な睡眠で全死亡リスクが最大1.5倍に
 

皆さんは睡眠をきちんと確保できているだろうか?今回睡眠時間と死亡リスクの関係を調べた研究が日本・京都府立医科大学から発表されました。(Sleep Health誌、2022年10月10日)

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「日本多施設共同コホート研究(J-MICC研究)」のデータを用いて、日本人の生活習慣病リスクの解明を目的として2005年から14拠点で継続されている前向きコホート研究を行いました。2004~2014年に35~69歳の成人9万2,527人が登録されています。そのうち、習慣的に睡眠薬を服用している人や追跡期間が1年未満の人を除外して8万1,382人(男性44.2%)を解析対象としました。睡眠の規則性については、自記式アンケートに含まれていた「就床・起床時刻は規則的か?」の回答から判定しました。9,768人(12.0%)が「不規則」と回答しました。平均睡眠時間は6.6±1.0時間でした。

  • 73万6,319人年(平均9.01年)の追跡で、3,376人が死亡しました。1,000人年当たりの死亡率は4.59でした。
  • 睡眠時間と睡眠が規則的か不規則かによって全体を6群に分け死亡率を比較すると、長時間睡眠群と睡眠が不規則な群で高いことが分かりました。
  • 具体的には、睡眠時間6時間未満で規則的な場合は4.5、不規則な場合は5.1、睡眠時間6~8時間未満では同順に4.1、5.2、睡眠時間8時間以上では6.3、7.6でした。
  • 死亡リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、BMI、飲酒・喫煙・運動習慣、教育歴、虚血性心疾患・脳卒中・がんの既往、および調査拠点)を調整後の全死亡リスクは、睡眠時間6~8時間未満に比較し8時間以上の群で15%高く〔ハザード比(HR)1.15(95%信頼区間)1.05~1.25〕、睡眠が規則的な群より不規則な群は30%高くなりました〔HR1.30(同1.18~1.44)〕。
  • 性・年齢別では、男性は年齢(60歳未満/以上)にかかわらず、睡眠が不規則な群は有意に死亡リスクが高くなりました。
  • 一方、女性では睡眠が不規則なことと死亡リスク上昇との関連が有意なのは60歳未満のみであり、60歳以上や女性全体では有意な関連を認めませんでした。
  • 睡眠時間が6~8時間未満でかつ規則的な群を基準として、他の5群の死亡リスクを比較し、睡眠が規則的な場合は睡眠時間が8時間以上の群で有意なリスク上昇が認められ〔HR1.14(1.04~1.24)〕、睡眠が不規則な場合は睡眠時間にかかわらず、全てのカテゴリーで有意な死亡リスク上昇が認められました。
  • 具体的には、6時間未満はHR1.21(1.02~1.44)、6~8時間未満はHR1.23(1.09~1.40)、8時間以上はHR1.52(1.18~1.96)であり、最大で52%上昇しました。

 
死亡リスクの評価には睡眠時間の長短だけでなく、睡眠の規則性も重要なようです。


参考:Irregular sleep and all-cause mortality: A large prospective cohort study - ScienceDirect

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