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女性の体重と寿命

10/1/2023 10:00:05

その他

今日のポイント:女性は60歳以降の体重維持で長寿を得やすい


女性の60歳以降の体重と寿命について調べた研究を紹介します。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)Herbert Wertheim School of Public Health and Human Longevity Scienceからの報告です。(Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences、2023年8月29日)

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Women’s Health Initiativeのデータを用いて、女性での60歳以降の体重変動と、90・95・100歳までの生存との関連を検討しました。対象者は、1932年2月19日以前に生まれ、試験登録時(ベースライン)とその3年後、および10年後に測定した体重データがそろう61〜81歳の5万4,783人で、2022年2月19日まで追跡しました。対象者は体重の増減に基づき、体重減少群(ベースラインから5%以上の減少)、体重増加群(ベースラインから5%以上の増加)、体重維持群(ベースラインからの体重の増減が5%未満)の3群に分類されました。体重減少については、それが意図的なものであるかどうかが、ベースラインから3年後の調査時に確認されました。この3年後の調査から1年以内に死亡した346人を除外した5万4,437人を最終的な解析対象としました。

  • ベースラインから3年後では、体重減少群では体重維持群に比べて、90歳まで生きる可能性が33%(オッズ比0.67、95%信頼区間0.64〜0.71)、95歳まで生きる可能性が35%(同0.65、0.60〜0.71)、100歳まで生きる可能性が38%(同0.62、0.49〜0.78)、有意に低いことが明らかになりました。
  • 同様に、ベースラインから10年後では、体重減少群では体重維持群に比べて、90歳まで生きる可能性が40%(同0.60、0.52〜0.69)、95歳まで生きる可能性が49%(0.51、0.41〜0.63)、有意に低くなりました。
  • これらのオッズ比に基づくと、体重維持群が90〜100歳まで生きる可能性は体重減少群の1.2〜2倍であると計算されました。
  • 体重減少と長寿との関連は、体重減少が意図的でなかった場合に、より顕著でした。例えば、ベースラインから3年後では、体重減少群のうち、減量が意図的であった人では90歳まで生きる可能性が体重維持群よりも17%低かったのに対し、減量が意図的でなかった人では51%も低いことが示されました。
  • 一方、体重の増加に関しては、3年後の時点では、90歳、95歳、100歳までの生存に関して、体重増加群と体重維持群との間に有意な差は認められませんでした。また、10年後の時点でも、90歳、95歳までの生存に関して、両群間で有意な差は認められませんでした。

 
以上より、体重が安定している年配女性は、体重が5%以上減少した女性よりも1.2倍から2倍の確率で90〜100歳という長寿を得ていることが示されました。


参考:Association of Later-Life Weight Changes With Survival to Ages 90, 95, and 100: The Women’s Health Initiative | The Journals of Gerontology: Series A | Oxford Academic (oup.com)

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