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コロナワクチン接種不足で重症化リスク増加

2/20/2024 10:00:04

新型コロナ

今日のポイント:ワクチン接種回数不足で重症化リスクが増加


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種が推奨回数に満たないワクチン接種不足と重症化リスクの関係を調べました。英国・エディンバラ大学からの報告です。(Lancet誌オンライン版、2024年1月15日)

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研究グループは、イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズの4地域におけるTrusted Research Environment(TRE)の医療データセットを用いてコホート研究を行いました。このデータデットには、ほぼ全国民をカバーする匿名化された電子健康記録のデータが含まれています。
 
5歳以上を対象に2022年6月1日時点のワクチン接種不足の補正後オッズ比を推定するとともに、同日~9月30日の4ヵ月間における重症COVID-19の発生について、ワクチン接種不足との関連を解析しました。ワクチン接種は、英国の予防接種に関する共同委員会(Joint Committee on Vaccination and Immunisation:JCVI)による年齢層別の推奨接種回数を満たしている場合を完全接種、満たしていない場合を接種不足と定義しました。重症COVID-19とワクチン接種不足との関連は、4地域の各TREで解析を行った後、逆分散加重固定効果メタ解析を用いて統合しました。
 
・2022年6月1日時点のワクチン接種不足者は、イングランドで5,896万7,360人中2,698万5,570人(45.8%)、北アイルランドで188万5,670人中93万8,420人(49.8%)、スコットランドで499万2,498人中170万9,786人(34.2%)、ウェールズで235万8,740人中77万3,850人(32.8%)でした。
・4地域全体の接種不足者は3,040万7,626人(44.4%)でした。
・5~74歳の集団において、若年、社会経済的貧困度が高い、非白人、合併症の数が少ないといった人ほど、ワクチン接種不足の可能性が高くなりました。
・重症COVID-19の発生は、全体で4万393件でした。
・このうちワクチン接種不足者での発生は1万4,156件でした。
・ワクチン接種不足は、すべての年齢群、すべての地域で、とくに75歳以上において重症COVID-19のリスク増大と関連していました。
・2022年6月1日時点で、すべての人がワクチンを完全接種していたと仮定して分析したところ、追跡期間4ヵ月時点で、5~15歳210件(95%信頼区間[CI]:94~326)、16~74歳1,544件(1,399~1,689)、75歳以上5,426件(5,340~5,512)、合計7,180件の重症COVID-19を減少したと推定されました。
・75歳以上におけるCOVID-19重症化の補正後ハザード比は、推奨回数より1回少ない場合で2.70(95%CI:2.61~2.78)、2回少ない場合で3.13(2.93~3.34)、3回少ない場合で3.61(3.13~4.17)、4回少ない場合で3.08(2.89~3.29)でした。
 
以上より、ワクチン完全接種なら重症COVID-19の2割弱は回避できた可能性が示唆されました。
 

参考:Undervaccination and severe COVID-19 outcomes: meta-analysis of national cohort studies in England, Northern Ireland, Scotland, and Wales - The Lancet

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