title

ワクチン接種者でコロナ後遺症リスクが○割低減

5/2/2023 10:00:04

新型コロナ

今日のポイント:ワクチン接種者はコロナ後遺症リスクが4割以上低い可能性


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期以降にいくつかの症状が遷延する「コロナ後遺症」と呼ばれる状態(post-COVID-19 condition;PCC)のリスクに関する報告がされました。英イースト・アングリア大学からの報告です。(JAMA Internal Medicine、3月23日)

image

PCCの患者数に関しては、英国で約200万人、米国では約2300万人との推計値が報告されています。PCCの主な症状として、息切れ、咳、動悸、頭痛、耳鳴り、倦怠感、胸痛、ブレインフォグ(頭がぼんやりして記憶力などが低下した状態)、不眠、めまい、不安や抑うつ、食欲低下、嗅覚や味覚の障害、関節痛などがあります。
 
これらPCCのリスク因子を探るために、既報論文を対象とするシステマティックレビューとメタ解析を実施しました。MedlineおよびEmbaseに2022年12月5日までに収載された論文を対象とするシステマティックレビューにより、18歳以上のPCC患者(何らかの症状が3カ月以上持続している患者)合計86万783人が含まれる計41件の研究を抽出しました。

  • 男性に対して女性はオッズ比(OR)1.56(95%信頼区間1.41~1.73)、40歳未満に対して40~69歳はOR1.19(同1.06~1.34)、70歳以上はOR1.21(1.11~1.33)、喫煙者はOR1.10(1.07~1.13)、肥満(BMI30以上)はOR1.15(1.08~1.23)、COVID-19急性期に入院を要した患者はOR2.48(1.97~3.13)、ICU入室を要した患者はOR2.37(2.18~2.56)でした。
  • 基礎疾患については、喘息はOR1.24(1.15~1.35)、COPDはOR1.38(1.08~1.78)、糖尿病はOR1.06(1.03~1.09)、虚血性心疾患はOR1.28(1.19~1.38)、免疫抑制状態はOR1.50(1.05~2.15)、不安や抑うつはOR1.19(1.02~1.40)でした。
  • 検討された基礎疾患のうち、慢性腎臓病についてはPCCリスクとの有意な関連が示されませんでした〔OR1.12(0.98~1.28)〕。
  • 一方、ワクチン接種者はOR0.57(0.43~0.76)であり、4割以上リスクが低い可能性が示されました。

 
以上より、女性や喫煙者、急性期に入院を要した人などはリスクが高く、反対にワクチン接種によってリスクが大幅に抑制されている可能性が示されました。



参考:Rhino-orbital mucormycosis in a Mexican patient with COVID-19: Case report | Revista Alergia México

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ