母親の産前、産後うつ病と子供の自閉スペクトラム症
9/21/2025 10:00:04
今日のポイント:出産前、周産期、出産後にうつ病を経験した母親から生まれた子供は、自閉スペクトラム症の発症リスクが高い
母親の産前、産後うつ病や周産期うつ病と子供の自閉スペクトラム症(ASD)との関係について調査しました。オーストラリア・カーティン大学からの報告です。(BJPsych Open誌、2025年6月4日)

2024年2月21日までに公表された研究を、PubMed、Medline、EMBASE、Scopus、CINAHL、PsycINFOよりシステマティックに検索しました。ランダム効果モデルを用いてメタ解析を実施し、サマリー効果推定値はオッズ比(OR)、95%信頼区間(CI)として算出しました。異質性の評価には、Cochranの Q検定およびI2検定を用いました。対象研究における潜在的な異質性の要因を特定するため、サブグループ解析を行いました。出版バイアスの評価には、ファンネルプロットとEggerの回帰検定を用いました。
・最終分析には、160万組超の母子を対象とした12件の研究が含まれました。
・ランダム効果メタ解析では、子供におけるASD発症リスクは、妊娠前にうつ病を経験した母親の場合52%(OR:1.52、95%CI:1.13〜1.90)、産前うつ病の場合48%(OR:1.48、95%CI:1.32〜1.64)、産後うつ病の場合70%(OR:1.70、95%CI:1.41〜1.99)それぞれ増加していることが明らかとなりました。
以上より、メタ解析の結果、出産前、周産期、出産後にうつ病を経験した母親から生まれた子供は、ASD発症リスクが高いことが判明しました。
参考文献:
Maternal pre- and perinatal depression and the risk of autism spectrum disorders in offspring: systematic review and meta-analysis - PMC
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