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コロナ後遺症と勃起不全

6/15/2025 10:00:05

新型コロナ

今日のポイント:新型コロナ後遺症で勃起不全のリスク高まる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症と勃起不全(ED)の関係を調査しました。横浜市立大学附属病院からの報告です。(Scientific Reports、2025年2月21日)

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COVID-19感染後のEDの有病率とその根本的な要因を明らかにするために感染患者を対象とした症例対照研究を実施しました。2021年4月から9月の間に国内でCOVID-19と診断後入院した成人患者を対象とした包括的な長期観察研究(CORES II)の二次解析として実施されました。対象は、1年目および2年目の調査を完了した日本人男性609人(年齢中央値56歳)としました。EDの有無については、被験者の自覚に基づき「COVID-19感染後に現れた症状で、感染前にはなかった症状を選んでください」という質問により決定しました。被験者のQOLと精神状態は、それぞれEQ-5D-5L質問票とHospital Anxiety Depression Scale(HADS)質問票に被験者自身で回答してもらい評価を行いました。連続変数、カテゴリ変数の比較にはそれぞれ、両側U検定、フィッシャーの正確確率検定を用いました。

・対象609人のうち、116人(19.0%)がEDでした。
・EDのあった被験者(ED群)ではEDのなかった被験者(非ED群)と比べて、1年目2年目ともに、「回復の主観的認識」が低く(P<0.001)、「息切れ」、「疲労」のスコアが有意に高かった(各P<0.001)。HADSスコアをみると、ED群では抑うつ症状を示すHADS-Dスコアが、1年目2年目ともに有意に高くなっていました(P<0.001)。
・次にCOVID-19感染前と1年目、2年目のEQ-5D-5Lスコアの変化を調べました。
・その結果、ED群は非ED群と比較し、痛み/不快感が2年目(P=0.003)で、不安/抑うつが1年目(P=0.033)、2年目(P=0.002)で有意に高くなっていました。
・また、後遺症を分類する探索的なクラスター分析を行った結果、1年目の調査ではEDは睡眠障害と同じサブグループに分類されました。

以上より、新型コロナ後遺症で勃起不全のリスク高まることが示唆されました。


参考文献:
Prevalence of erectile dysfunction as long-COVID symptom in hospitalized Japanese patients | Scientific Reports

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