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補聴器の常用と寿命

2/8/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:補聴器の常用で寿命延長


補聴器の常用と寿命の関係を調査しました。米南カリフォルニア大学からの報告です。(The Lancet Healthy Longevity、2023年1月号)

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今回、1999年から2012年の間に米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加し、聴覚と補聴器の使用に関する質問に回答した20歳以上の成人9,885人(平均年齢48.6歳、女性51.0%、1,863人が難聴)のデータを、死亡者データベースであるNational Death Indexにリンクさせて追跡調査を行いました。
 
・聴力検査で測定された難聴の重み付け後の有病率は14.7%であり、中央値10.4年の追跡期間での全死亡率は13.2%でした。
・難聴者の間では、12.7%の人が補聴器を常用していました。
・解析の結果、難聴は死亡率上昇の独立したリスク因子であることが示されました(調整ハザード比1.40、95%信頼区間1.21〜1.62)。
・また、難聴者の間では、人口統計学的属性や聴力レベル、病歴を考慮しても、補聴器の常用者では補聴器の非使用者に比べて死亡リスクが低くなりました(同0.76、0.60〜0.95)。
・一方で、補聴器の非常用者と補聴器の非使用者の間では、死亡リスクに有意な差は認められませんでした(同0.93、0.70〜1.24)。
 
 Choi氏は、「これらの結果は、補聴器を常用することが人々の健康を守り、早期死亡を予防する可能性を示唆するもので、非常に興味深い」と大学のニュースリリースで述べている。同氏は、補聴器の常用による死亡リスクの低下は、聴力の向上がメンタルヘルスや脳の機能にもたらす利点と関連している可能性があると推測している。
 
以上より、補聴器の常用で寿命が延長する可能性が示唆されました。

参考:Association between hearing aid use and mortality in adults with hearing loss in the USA: a mortality follow-up study of a cross-sectional cohort - The Lancet Healthy Longevity

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