労働時間ではなく仕事の〇〇がうつ病リスクに影響
7/13/2025 10:00:04
今日のポイント:労働時間ではなく仕事の種類がうつ病リスクに影響
労働時間や労働形態が中高年のうつ病リスクに及ぼす影響を検討しました。中国・Hangzhou Normal Universityからの報告です。(Journal of Affective Disorders誌、2025年8月1日号)

本研究は、2011〜20年のChina Health and Retirement Longitudinal Survey(CHARLS)のデータを用いて検討を行いました。うつ病の測定には、10項目からなるCESD-10尺度を用いました。潜在成長曲線モデル(LGCM)を用いて労働時間がうつ病リスクに及ぼす影響を分析し、マルチレベル一般化推定方程式を用いて労働形態(職種および雇用形態を含む)とうつ病リスクとの関連を調査しました。
・対象は、45歳以上の中国人3,045人でした。
・女性労働者の平均うつ病スコアは、男性よりも高くなりました(9.6 vs.7.1、p<0.001)。
・LGCMでは、初期の労働時間やその変化は、うつ病レベルの変化に有意な影響を及ぼさないことが示唆されました。
・職種別では、非農業労働者は農業労働者よりもうつ病レベルが低くなりました(β:−0.92[−1.14〜−0.70])。
・雇用形態別では、自営業者は雇用労働者よりもうつ病レベルが高くなりました(β:0.59[0.38〜0.81])。
・労働時間や労働形態がうつ病リスクに及ぼす影響には、男女間で差は認められませんでした。
以上より、女性、農業労働者、自営業者のメンタルヘルスにより注意を払う必要がありそうです。
参考文献:
Work type rather than working hours influences depression: a longitudinal study of middle-aged and older adults in China - ScienceDirect
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