ウォーキングの早さと健康促進
10/16/2025 10:00:00
今日のポイント:ウォーキングはペースを速めるほど効果が大きい
ウォーキングの早さと健康への影響はどのような関係があるのでしょうか。米ヴァンダービルト大学からの報告です。(American Journal of Preventive Medicine、2025年7月29日)

この研究では、2002~2009年に米国南東部12州で募集された、低所得者や黒人を中心とする約8万5,000人のデータが解析されました。ベースラインでは、ゆっくりした歩行(犬の散歩、職場内での歩行、軽い身体活動など)の時間、および、速い歩行(早歩き、階段を上る、運動など)の1日当たりの平均時間が調査されました。死亡に関する情報は2022年末まで収集され、中央値16.7年(範囲2.0~20.8)の追跡期間中に、2万6,862人の死亡が記録されました。
・年齢、性別、人種、教育歴、婚姻状況、雇用状況、世帯収入、保険加入状況などを調整後、全死亡(あらゆる原因による死亡)のリスクは1日15分の早歩きにより19%低下し(ハザード比〔HR〕0.81〔95%信頼区間0.75~0.87〕)、1日30分の早歩きでは23%低下しました(HR0.77〔同0.73~0.80〕)。
・それに対してゆっくりした歩行は、1日3時間未満では全死亡リスクが有意に低下せず、3時間以上の場合にわずか4%のリスク低下が認められました(HR0.96〔0.91~1.00〕)。
・このような関連は、調整因子としてBMI、喫煙・飲酒習慣、余暇時間の身体活動量、座位行動時間、食事の質などを追加してもほぼ同様でした。
以上より、より速く歩くことで、より大きな健康効果を得られる可能性を示唆するデータが報告されました。
参考文献:
Daily Walking and Mortality in Racially and Socioeconomically Diverse U.S. Adults - American Journal of Preventive Medicine
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